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2020/06/27
ピロリ菌について①  〜基礎知識編 その1〜 

ピロリ菌について①  〜基礎知識編 その1〜 

 

目次

はじめに

ピロリ菌ってどんな菌?

ピロリ菌はいつ、どのように感染するの?

 

はじめに

よくテレビや新聞や雑誌等で見たり聞いたりする“ピロリ菌”ですが、一体何者なのかということを解説していきます。

いわゆる“ピロリ菌”はヘリコバクター・ピロリの俗称で、胃の内部粘膜に住んでいる病原細菌です。正式名称はHelicobacter pyloriといいます。

1990年代前半、まだこの菌がマイナーだった頃には研究者の間では「ヘリコ」という愛称で呼ばれていたようですが、いつの間にか「ピロリ菌」と呼ばれる方が多くなりました。きっかけになったのは週刊誌“AERA”(1994年3月28日号)で取り上げられ、その後様々なメディアに取り上げられて広がっていったようです。いずれにしても世間でも良く知られた菌になったのには、やはり胃癌との関連性などが話題になったからではないでしょうか。

この後、数回にわたって詳しく説明していきます。

 

ピロリ菌ってどんな菌?

ピロリ菌独自の性質を説明します。

⑴通常、胃の中は胃酸が降り注ぐ強酸の環境で、細菌は住みにくいとされています。しかしピロリ菌は、ウレアーゼという酵素を自ら産生して、(尿素からアンモニアを作って)胃酸を中和することで生存できています。今後、検査の時に説明する予定ですが、このウレアーゼ反応を用いて、ピロリ菌感染の診断を行うことがあります。

 

⑵ピロリ菌は、菌体がらせん構造をしており、また鞭毛と呼ばれる“しっぽ”のような構造を持っています。この“しっぽ”と自身のらせん形球体を回転させることで、1秒間に自身の長さの20倍以上の距離を移動できます。

 

⑶ピロリ菌は複数の粘着因子群を菌体表面に持っています。この粘着因子を使って、まずは胃粘膜上皮に“軽く”くっつきます。次に“小さな注射器”のような装置(Cag装置、実はこれが胃癌などの原因になるとされています!!)を使って“強固に”くっつきます。

 

⑷ピロリ菌は胃などの酸素が少ない環境(510%)を好む微好気性菌です。

酸素が多い空気中(21)では死滅してしまいます。また酸素がほとんどない腸管では、形態変化を起こし、丸くなってしまいます。(これをcoccoidといいます)

意外とナーバスな細菌です。

 

このように⑴胃酸中和能力 ⑵運動能力(逃げ回り、潜りこむ) ⑶くっつく能力 ⑷微好気下での増力 を生かして、胃内での増殖を可能としています。

 

ちなみに大腸や糞便から生きたピロリ菌が分離されることは稀です。またヒト以外の動物から生きたピロリ菌が分離されることも稀です。ピロリ菌はヒトの胃粘膜のみに生息する細菌と考えてよさそうです。

 

ピロリ菌はいつ、どのように感染するの?

結果から言うと、一般的には「幼少期(5歳くらいまで)に経口感染する」とされています。

少し詳しく説明していきます。

ピロリ感染には環境因子(先進国・発展途上国、上下水道完備の有無、都市部と山間部、人種差など)が重要であることは様々な疫学調査で証明されてきました。

20歳以下の感染率をみてみると、1974年は感染率が高かったのですが、1984年、1994年になると感染率は著しく低下してきました。この時期は日本が高度成長期に入り、社会環境が改善してきたのと一致しています。このことから良好な社会環境の中で幼少期を過ごした方はピロリ菌感染が少ないと考えられています。

自然界では、ピロリ菌は先ほど説明した丸くなっている形態(coccoid form)で存在し、水や食物から経口感染すると言われています。coccoid formの状態でピロリ菌が胃に入ると、成人では胃酸などの防御機能の作用によって感染が成立しないのに対して、幼少期は防御機能が未成熟なために感染が成立して持続感染するのではないかと考えられています。

近年の先進国におけるピロリ菌感染は幼少期における家庭内感染が重要な要因で、父親や兄弟に比べて、母親からの感染が主体であることが疫学的研究で証明されています。

成人では、日常生活(コップの回し飲み、食器の共同使用、生水の飲用など)においてはピロリ菌にほとんど感染しないと考えられています。

 

次回のコラムではさらにピロリ菌と関連する病気などに関して説明していきたいと思っています。

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