今回で大腸ポリープの話しは一旦終わりです。今後大腸がんのお話もいずれしておこうと思っております。ではいきましょう。
目次
大腸ポリープを切除する時って痛いの?
大腸ポリープを切除すると言われた時に痛みがあるのではないか?と不安に思われた方がおられるかもしれません。
しかし、大腸ポリープを切除する時は「痛くありません」。
大腸に限らず、消化管(食道、胃、十二指腸、大腸など)の壁には厚みがあります。ホルモンを食べたことがある方ならイメージしやすいですが、ヒダヒダになっている面と、ツルっとしている面があり、その間に厚みがあります。
その厚み(壁)には、地層のような構造で何層かに分かれています。
腸管の内側(食べ物や便が通過する側)から粘膜層→粘膜下層→固有筋層→漿膜となります。ヒダヒダな面が粘膜層、ツルっとしているのが漿膜です。
大腸ポリープは、基本的に粘膜層から発生します。粘膜層には、痛みを感じる神経がないために、ポリープを切除しても痛みはないのです。
ただし、ポリープを切除する際に通電などを行って、筋層や漿膜まで深く取りすぎてしまうと痛みを感じます。この時は穿孔といって大腸に穴があいてしまっている大変危険な状態です。
当院で行っているコールドポリペクトミーでは深く取りすぎることはまずありえませんのでご安心して検査を受けていただけます。
内視鏡治療後はどれくらいの間隔で内視鏡検査を行えばよいの?
これは実臨床で非常によくある質問ですね!
ポリープを取って病理結果を説明した後に、「次は何年後に検査を受ければいいですか?」という質問をよく受けます。その答えを解説していきましょう。
米国のNational Polyp Studyという研究で、大腸腺腫性ポリープを内視鏡的にすべて切除することで、その後の内視鏡検査は3年後でよいという結果がでました。
しかし日本ではまだ径5mm以下の腺腫性ポリープの取り扱いが一定でないので、海外のガイドラインをそのまま適応してよいかどうかは明らかにされていません。
日本ではJapan Polyp Study Workupの結果では、「1回の完全なポリープ切除では、検査間隔を一律3年に設定することの安全性が十分担保できない」という結論になっています。今後はJapan Polyp Study Workupの長期追跡データ
が待たれます。
現時点では「内視鏡治療後のフォローの内視鏡検査は3年以内に行う」ということになっています。
当院では、内視鏡検査を行った時にポリープを1つでも取った場合は、出来れば1年後にもう一度大腸カメラ検査をさせていただき、その時点でポリープがなければ3年間以降に大腸カメラ検査としていることが多いです。
検査の結果説明の時などに、先生に次回はいつ行えばよいか質問するのがよいでしょう。
まとめ
文責 副院長 下河辺嗣人(消化器病専門医、消化器内視鏡学会専門医)
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