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2021/01/26
〜大腸の知識⑧ 大腸ポリープ⑵〜

前回の復習ですが、大腸ポリープとは大腸の内側に隆起した病変のことで、形を表す言葉です。いわゆる良性ポリープは腺腫性ポリープと過形成性ポリープに分けられ、腺腫性ポリープは癌化する可能性がありました。腺腫でも10mmを超えるものは癌化に注意が必要というところまで説明しました。

今回はその続きを説明していきたいと思います。

 

目次

腺腫を切除したら大腸癌は減るの?

・内視鏡切除の対象となる腺腫とは?

5mm以下の小さい病変は切除したほうがいいの?

・過形成性ポリープはどうすればいい?

・その他の鋸歯状病変はどうするか?

 

 腺腫を切除したら大腸癌は減るの?

よく、「大腸カメラをした時にポリープ取ってもらった」などの話を聞いたことがあるかもしれません。これって意味があるのでしょうか?

結果から言うと、十分意義があり、腺腫を切除することで大腸癌は減ります

先ほども説明したように、腺腫性ポリープは大腸癌の前駆病変でしたね。腺腫性ポリープを内視鏡切除することで、癌の罹患率が76〜90%抑制可能で、さらに53%の死亡率抑制効果が得られると米国から報告がありました。それから日本でも全内視鏡検査および腫瘍性病変に対して内視鏡切除が広く普及してきました。ではすべての病変を切除する必要があるのでしょうか?

 

内視鏡切除の適応となる腺腫とは?

前回のコラムでも説明したように、腺腫の大きさは癌化する大きな要因でしたね。癌の頻度は、径5mm以下を仮に1とした時に、径610mmなら約7倍、11mm20mmで約12倍、20mm以上では約15倍とされています。

その結果から「大腸ポリープ 診療ガイドライン2020」でも、6mm以上の腫瘍性病変に対しては内視鏡切除が勧められています。内視鏡切除法に関しても色々ありますので、それはまた今後のコラムで説明させていただきます。

 

でも、実は日常の大腸カメラを行っていて、発見される病変の7080%は径5mm以下の小さな病変とされています。ではこの小さな病変(専門用語で微小病変といいます)の取り扱いはどうすればいいのでしょうか?

 

5mm以下の小さい病変は切除したほうがいいの?

答えは5mm以下の微小病変を切除すべきか否かは「まだよくわかっていない」です。

「大腸ポリープ 診療ガイドライン2020」では、将来癌への進展を予防した内視鏡治療は弱く推奨されています。

欧米から、5mm以下の微小病変の癌の頻度は0.03%0.3%と極めて低いことが報告されています。(ちなみに日本からの報告では98.8%が腺腫、癌は1.2%)また微小病変は23年観察しても大きさの増大や形態変化が見られる病変は少ないので「内視鏡切除を行わずに、経過観察も容認される」となっています。現実的には、5mm以下の微小病変を切除するかどうかは患者様の年齢や全身状態、併存疾患、本人の希望なども参考にして切除を行うのが良いのではないでしょうか。

 

過形成性ポリープはどうすればいい?

もう一度復習しておきましょう。良性ポリープは腺腫と過形成性ポリープに分けられましたね。腺腫については色々説明してきました。では過形成性ポリープはどうすればいいのでしょうか。

過形成性ポリープは将来の腺腫の発生と関連性はみられないとの報告があります。また内視鏡の見た目の診断率が極めて高い(見た目でほとんどわかる)ことからも放置してよいとされています。

私のクリニックでも、大腸カメラを行った後に「ポリープがありましたが、癌化する可能性がないものと判断したので、切除していません。」と説明しますが、そのほとんどはこのポリープのことを示しています。

 

その他の鋸歯状病変はどうするか?

今までざっくりとポリープは、腺腫と過形成性ポリープに分かれると説明してきました。さらに細かく説明すると過形成性ポリープは、実は大腸鋸歯状病変というグループに入っています。難しいですよね。。。まあ、「こういうものがあるんだ」くらいで思っていただければ十分です。過形成性ポリープに近いポリープがあり、実際臨床でよく遭遇する代表がsessile serrated adenoma/polypSSA/P)という名前が付いています。このSSA/Pの一部は大腸癌の前駆病変と考えられています。SSA/Pの癌化率は1.520%とされています。そのため、10mm以上のSSA/Pを治療の適応とする報告が多いです。

 

今回はここまでです。最後の方は少し難しい内容になってしまいましたね。

次回はポリープの切除方法などをお話していければと思います。

 

 

まとめ

・大腸ポリープの中でも、腺腫を切除することで大腸癌は減ります。

・6mm以上の腺腫に対しては内視鏡切除をした方がいいでしょう。

・5mm以下の小さな病変に対して治療するかどうかはまだ確立されておらず、患者様の年齢や全身状態、併存疾患、本人の希望なども参考にして決めましょう。

・過形成性ポリープは基本的には放置してよいでしょう。

 

文責 副院長 下河辺嗣人(消化器病専門医、消化器内視鏡学会専門医)

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